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しかし、妖精は予想に反して、何も口にしなかった。小皿に入れた水すら飲まない。そのまま、1日が過ぎた。女の子は今度はリンゴのかけらを持ってきて空き箱に入れた。水も新しいものに取り換えた。それでも、やっぱり妖精は飲まず食わずのままだった。
1週間が過ぎた頃だった。妖精は日に日に起きている時間が少なくなり、弱っているのが目に見えて分かるようになっていた。
「このままうちにいたら死んでしまうかもしれない」
女の子はできれば妖精を手元に置いておきたかった。その寝姿を見ているだけで飽きることがなかったから。しかし、死なせてしまうのだけはどうしても避けたかった。
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