おはリンピック生中継・2

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おはリンピック生中継・2

「グッモーニン! 朝ごはんの友、納豆大好きハロルド・ネバチョイデース。ここで挨拶代わりのネバチョイ・アドバーイス! 出先で納豆が食べたくなって、パック入りを買ったはいいけど、あいにくスプーンの持ち合わせが、紙製のアイスクリームスプーンしかない。へなへなで混ぜられない、下手すると折れそう。そんなとき、どうする? ハロルドなら、こうするね。───『切るように、混ぜる。』この一言で通じた女子! ハロルドにもケーキ作って送ってほしいな🎵 大丈夫、ハロルドの彼女は心が広いから、トラブったりしないよ! おっと、会場からブーイングが聞こえるね! ハロルド、しゃべりすぎたね。口は災いのもと。日本には、ナイスな言葉があるよね。そういうとこ、ハロルド大好き! 日本人と結婚するために、日本のこと、もっともっと勉強するよ! 今日、ゲストとしてここに来たのも、その一環さ!」 「ハイ、ありがとうございました。あらためてご紹介します。本日のおはリンピック、ゲストは日本愛好家の一般人、ハロルド・ネバチョイさんです。実況はいつものわたくし、佐藤まことです。よろしくお願いします。」 「よろしくデース!」 「さて、今朝のおはリンピックの種目は書道、出場は御手洗学園付属保育園1年次の皆さんです。なんかもう、ホイッスルとか関係なく、スタジオが遊戯場と化しています。」 「Oh ! 背番号 2 番のプリティーガールが、元気にすずりをかじっているよ。その10時方向 3メートル先では、ちょっとオトナの3番君が、プロデューサーの白髪頭に墨汁をかけて、丁寧にすいているよ。染めてあげているのかな? 優しいね、Boy ! おや、4番君、しきりに手のひらを筆先で撫でているけれど、どうしたのかな?」 「子供には、自分の世界がありますからね。危険がないかぎり、見守りましょう、ネバチョイさん。」 「オッケー、それが大人の役目だね。でも、アドバイスするくらい、いいだろう? ヘイBoy ! それは君が産まれたときの、君の髪の毛だよ! ハロルド、事前に資料読んで、驚いたのさ。粋な記念品だよね!」 「あ、カメラさん、1番の女の子が筆をふりかぶって…………壁に投げたァ!」 「Wow ! 見事なパフォーマンス! 片仮名の『ノ』の字だね!」 「そ、そういうことにしておきましょう。今朝のおはリンピック、優勝は1番の……」 「ドヤ顔スマイルのガール、君だよ、君! おめでとう!」 「賞品は、墨をも洗い落とす強力洗剤、『ハイパー・スッキリン』3年分です。思うさま墨に親しんで、自国の文化への興味と関心を培ってくださいね。それでは皆さん、Have a ナイスデェーイ!」 「今日も1日、納豆ネバギバ~ップ!」
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