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馬乗りになったエマに 首を締められながら
泰河は、近づく死に 見惚れてた。
それを 見ていると
胸の中身が さらさらと流れ出て 減っていって
砂を噛むような心地になった。
目の前で 光を発しながら灰になったリラが 重なって。
隣では 朋樹が、愕然としたツラで立ち尽くす。
それで 気付いて、風の精霊で エマの片腕を捻り落とした。泰河は それでも、ぼんやりしてた。
泰河には 獣の血 っていう重圧があるのは分かる。
そのせいで こういうことに巻き込まれちまうし
いろんなヤツに狙われちまう。
けど、被害者なのに、加害者だと思ってる。
たくさん 救ってもいるのに、誰かが犠牲になると
いつも “自分のせいだ” って。
オレのせいじゃねー... とか 考えるヤツよりは
マシかもだけど、もっと 正しく見る ってことは
大切だと思う。
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