2 ルカ

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「陣中旗、飾らないのか?」 朋樹が言ったら、ジェイドが 「手伝ってくれ」って 言うから 三人で 教会に移動する。 教会は無人だった。 「本山くんはー?」って 聞くと 無人の時は、告解室の裏にある個室で (くつろ)いでもらってるらしい。 「向かって右側がいいかもしれない」 「そうだな」 陣中旗を広げた朋樹と、貼る位置を考えて 「この辺は?」って、少し離れて見るジェイドに聞く。 「もう少し、上がいいかも」 「椅子ないと貼れんぜ」 「それか もう、旗竿(ポール)を用意して ちゃんと 旗として飾るのは どうだろう?」 「あっ、それが いいんじゃね?」 「なら、旗竿とスタンド買いに行くか」って 一度 陣中旗を下ろすと、昼間なのに ステンドグラスの向こうが、カッと光った。 「カミナリ?」 すぐ近くに落雷したようで、轟音と揺れが響くと 何故か、教会の磔の十字架の背後が光る。 「えっ?」「何だ?」 なんか おかしい。警戒し始めた時に 空中に 忽然と、横たわる人が浮いて それが 十字架と朗読台の間に ドサッと落ちた。
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