2 ルカ

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高い位置に纏めた黒髪、白い襞襟。 天鵞絨(ビロード)の黒いマントの中に、赤い羽織。 濃紫の裁着(たっつけ)袴に 黒い脚絆、足に草履。 翡翠のロザリオ... 「... 四郎?」 天草四郎だ。ミカエルと天に昇ったはずの。 「ちょっと... 」 傍に しゃがむと、朋樹とジェイドも近くに来て 覗き込む。 肩に触れようとしたら、四郎が瞼を開けた。 「あっ」「起きた」 「神父(パードレ)。るか、ともき」 「神父だけど、“ジェイド” だって」 床に起き上がる四郎を 助け起こしていると、 磔の十字架の隣に 白く濃縮した光が弾けて エデンの(ゲート)が開いた。 薄い階段を降りて来るのは もちろんミカエルで、 翼 背負って天衣だし、ブロンド眉をしかめて ムスッとしたツラしてる。 四郎に眼を移すと「よし、いるな」と 表情を緩めて、教会の床に降りた。 「ミカエル」「おかーり」 どういうことなんだよ? って見たら エデンの門から、地上の服を取り寄せて 自分に重ねて着替えながら 「シロウのことは、第七天(アラボト)で 聖子に報告して 第六天(セブル)で会議になった」って 説明し出した。
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