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「まあ、考えられることでは あるだろう。
獣は、万物を創造した父の枠の 外にいる。
更にだ。首と身体が すげ替わった者等の体内にいた 灰色蝗に作用したのは、獣の血液ではなく
泰河の血液 だという恐れもある」
「どういうことだ?」
「泰河の血液が 獣の血を取り込んだように
奈落の蝗を取り込んだ... という 推測を立てている。
つまり 獣の有無は関係なく、泰河自身の血に
それだけの力がある ということだ。
今のところ、染色体の異常などは見つかっていないが... 」
ふうん... 何なんだろ あいつ。
変わってるよなー。
けど、すげ替わりの人には
泰河の血の影響は なかったよな?
血は、体内の蝗だけを攻撃した。
それを言ってみたら
「そう。“対象を選んで作用する” ということになる」と、びじん顔で 楽しそうに言うし。
「獣の血が?」
朋樹が聞くと、パイモンは
「いや、泰河の意志による選択に
獣の血が沿っているということだろう」と
メレンゲクッキーを口に入れた。
... って ことは、泰河は 獣の血を
自分の意志で利用出来てる ってことになる。
模様が浮き出る右手での 呪詛解きとか
憑依解きとかにしても、
左手で触れて、記憶を引き出すことにしても
泰河が獣の血を使えてる ってことになるけど、
泰河から離れた... 取り出した血液であっても
それは有効 ってこと。
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