2 ルカ

10/11
657人が本棚に入れています
本棚に追加
/1205ページ
長老たちは、四郎を罪とする気はないけど 預言者として 聖父と歩んだ訳でもなければ 聖子の直接の弟子でもなかった四郎を 天に迎い入れるのは、やっぱり難しいことみたいで、『心情ではなく、法と秩序の問題だ』と 頭を悩ませたらしい。 『もし何かあったら、俺が責任を取る』と言う ミカエルに対し 『許可すれば、肉体のあるシロウを 罪人として 異議を唱え出す者が出る恐れがあるだろう』と 長老の 一人が、長い山羊ヒゲを指で梳く。 たくさんの人間の細胞を 寄り集めて造った身体も 問題だった。 「聖父は、なんで関与しなかったんだ?」と 朋樹が聞くと 「四郎の存在が、天で問題になった場合に 罰したくないから、先に予防線を引いた」って ことみたいだ。 聖父が関与してないから、最悪の場合 四郎を 天の法で罰したり 幽閉させたりせずに 追放を選べる。 『しかし、信徒を追放とは... 』 『肉体を伴ったままでは、異教の冥府であろうと 受け入れられまい』 『... となれば、地界行きとなる』 『まだ子供だ。断じて 行かせられるものか』
/1205ページ

最初のコメントを投稿しよう!