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長老たちは、四郎を罪とする気はないけど
預言者として 聖父と歩んだ訳でもなければ
聖子の直接の弟子でもなかった四郎を
天に迎い入れるのは、やっぱり難しいことみたいで、『心情ではなく、法と秩序の問題だ』と
頭を悩ませたらしい。
『もし何かあったら、俺が責任を取る』と言う
ミカエルに対し
『許可すれば、肉体のあるシロウを 罪人として
異議を唱え出す者が出る恐れがあるだろう』と
長老の 一人が、長い山羊ヒゲを指で梳く。
たくさんの人間の細胞を 寄り集めて造った身体も
問題だった。
「聖父は、なんで関与しなかったんだ?」と
朋樹が聞くと
「四郎の存在が、天で問題になった場合に
罰したくないから、先に予防線を引いた」って
ことみたいだ。
聖父が関与してないから、最悪の場合
四郎を 天の法で罰したり 幽閉させたりせずに
追放を選べる。
『しかし、信徒を追放とは... 』
『肉体を伴ったままでは、異教の冥府であろうと
受け入れられまい』
『... となれば、地界行きとなる』
『まだ子供だ。断じて 行かせられるものか』
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