3 ルカ

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「なら、ミカエルも オシノビじゃなく 地上に堂々と降りて来れるってことなのか?」 朋樹が聞くけど、今までも全然 降り放題だった気がするんだけど 見つかっても、理由を聞かれたり、(とが)められたりしないってことー? 「うん。この国に降りる正式な使命だからな。 会議の時、聖子は 敢えて口を出さずに 長老たちに、“シロウの守護を” って 任命させた」 ふうん... ミカエルは 天の英雄なんだし、 普通なら 世界を動かすような預言者の守護に就いたりするんだろうと思う。 でかい事するヤツとか、でかい敵がいるヤツとか。ジャンヌ・ダルクとかが その例。 四郎は、特に天からの使命はない。 “普通に生きて、肉体の寿命を全うしたら 天に上がってきなさい” って感じ。 これで もし、聖子が 『ミカエルが四郎の守護』って 任命してたら、 『何故ミカエルが?』って 意見も出るかもだけど、長老たちに協議させて 意見を引き出した。 それを許可するだけなら、誰も疑問を抱かない。 “聖子が任命した” じゃなくて “自分たちが任命した” って なるから。 この先 ミカエルは、この国に降りても 天には、“四郎の守護” って見做される。 聖子にはミカエルが、奈落やキュベレの件を話してるから、地上に降りる 公的な理由を付与した ってことだと思う。
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