3 ルカ

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「シロウ!」 「天狗の方」って言う四郎に 「テングだけど、俺は アコ」って 自己紹介して 「それ、飲める?」と、テーブルのコーヒーを指差す。そっか、飲んだことねーよな。 一口飲んだ四郎は 「苦いですが、香りが好きです」って 気を使ったような、ちょっと背伸びしたような風に答えて、コーヒーの湯気を吹いた。 四郎は 大人びては見えるんだけど、なんか まだ子供なんだよな って思う。 「そうだ、第二天(ラキア)では飲まなかったもんな」 ミカエルは、第六天(セブル)に連れて行く前に 第二天(ラキア)で パンを食べさせたみたいだった。 その時に飲んだのは、蜜入りのミルクだったらしい。 「待ってて」 一度消えたアコは、ミカエルにマシュマロ、 紙カップのカフェラテと小瓶を 四郎の前に置く。 「金平糖じゃん」 小瓶には、水色と黄色、白と赤っぽいピンクの 金平糖が詰まってるんだけど、 四郎は それを “わぁ... ” って 感動したように手に取った。 「“コンフェイト” だよな」 朋樹が、微笑ましいって顔して 四郎に言った。 「あっ、そうだ。聞いたことある!」 金平糖は、戦国時代頃に ポルトガルから入ってきた。“献上品” になってた南蛮菓子で、庶民の口には とても入らないようなものだったんだよな。 金平糖って名前も、ポルトガル語の “confeito” に 漢字を当てただけ。
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