3 ルカ

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「日本の歴史の本を、ゾイに借りて読んだんだ。 シロウも知ってるかと思って。 あと、これ。とりあえずの着換えと靴」 「あこ、ありがとうございます。こんなに... 」 アコは「金平糖は、ソーダとレモン、桜桃(サクランボ)と 白はフレーバー無し」って笑う。 四郎が座るソファーの隣に 買って来た服の紙袋を置いて、「最近、俺も習った」と ミカエルの翼を目眩(めくら)ましすると 「シロウのこと、ボティスに話してくる」って 片手上げて 消えた。気ぃ利くよなぁ... 「食べてみたら?」 ジェイドに勧められた四郎は、「はい」って 金平糖の瓶の蓋を開けて、水色を指に取った。 人差し指と親指の間にある 五ミリ粒くらいの それを、しばらく眺めて口に入れる。 「こういった 味だったのですね... 」と 眼を輝かせて「色と同じ印象の味がします」と またオレらに ときめきを感じさせやがるんだぜ。 「どうぞ、共に 御賞味下さい」って 金平糖の小瓶を、オレらに差し出す。 「友と 共に、食したいのです」 なにか分かんねーけど、胸が じんとする。 本当に 一緒に食べたいのは、あの魂の人たち なんだろうな... と 思うと。四郎と籠城した人たち。
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