4 ルカ

2/9
657人が本棚に入れています
本棚に追加
/1205ページ
「生命というのは、自分のものだと思うだろうけど、与えられたものだ。 自ら それを摘んではならない。 “どうして?” と、不条理を嘆くこともあるし “助けて” とも 考えられず、“もう駄目だ” としか 考えられないこともあるだろう。 だけど、必ず救いはある。 与えた以上、父は必ず その責任を負うからだ。 “耐える” ことになっても、父を 信じて欲しい。 死に向かうのでなければ、逃げていてもいい。 頑張っていなくていいから、与えられた生命を 自分で 放棄して欲しくないんだ」 人間同士... 聖父の子たちが 互いに殺し合いをするよりも、子が、自分で自分の生命を手放すことが 聖父にとって、それ以上にない苦しみとなる。 オレには、まだ子供とか いないけど いつか出来たら、それが分かるのかも。 リラや 泰河のこともあって、砂を噛んだ。 胸に 哀しみの液体のようなものが注がれて。 もし 家族が、妹のリンが... とか 考えたら 自分が苦しむ時より、ずっと苦しい。 「父の愛を拒絶し、捨てるということ。 そして父を苦しめる以上に、子が 自らを苦しめ 自らを諦めてしまう ということ」 その大罪を犯さずに済むよう、生きる寄り添いとなるのが、信仰のようだ。 孤独でなく、愛されていると 知るためのもの。
/1205ページ

最初のコメントを投稿しよう!