1 ルカ

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1 ルカ

客が 朋樹に付き添われて 召喚部屋を出て行くと 今日も シェムハザが、いつもみたいに コーヒーとマドレーヌ、メレンゲクッキーとかを 取り寄せてくれる。 久々な気がする 召喚依頼だった。 客は、モレクの時の儀式参加したヤツで 喚んだ悪魔は パイモン。 で、部屋にはパイモンも まだ居て、あとは ボティス、シェムハザ、ジェイド、朋樹、オレ。 「泰河の血液についてだ」 泰河は 朋樹に、“休む” とか 言った。 アコが様子を見に行ったところ “朱里(アカリ)と居た” って言うし、少し放っておこうってことになってる。 「検査の結果、“O型の日本人男性”。 人間のものしか出なかった」 「変質してないってことか?」 「獣の血は?」 「何も見当たらない。 各数値に異常もなく、健康だ」 「だが 泰河の血で、すげ替わりの者達の体内から 蝗は出た」 「泰河に 見ても触れても、何らかが()ざっていることは分かるだろう?」 ボティスやシェムハザの向かいで パイモンは、コーヒーを口に運びながら 軽く片手を開いた。 「それは分かるが、結果としては出ない ということだ。獣自体 未知のものだからなのかもな。 試薬に反応しない」 泰河の血には、獣の血が混ざっているけど それだけ取り出したり 調べたりも出来ねー って話らしい。
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