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右手をつかまれ、織田の右足がゆっくりと指を反対の方向へとねじまげて、
そのままぽきりと折れそうになった瞬間。
「やばいデルシスさんがきたぞ」
上杉君が叫ぶと、
一人部屋にこんなに人がいるとまずいのとおもったみたいで、
3人は扉をあけて、外に出る。
「天童君、明日がんばろうぜ」
顔はあざだらけ、体中がぐちゃぐちゃだ。
それでも織田はこちらにウィンクをとばし、さっさと言葉あわせろということらしい。
「うん、織田君も、武田君も上杉君もがんばろうね」
「たりめーよ」
「おう」
「そうだね」
3人がいなくなると、ちらっとデルシスさんが天童の顔をみて、
顔をゆがませて、そのまま通り過ぎていった。
それから天童は恐怖に突き動かされていた。
ぶるぶると震える。
こんなにも怖いことを数ヶ月も耐えてきたのだ。
きっと地球にいたころの自分はどこかおかしかったのだろう、
こんなにも痛いことをされて喜んでいる自分は、変質者か、どMなのか、それとも頭がいかれているのか?
そういえばと記憶を呼び起こす。
幼稚園のときまでは父親と母親は仲がいい家族だった。
それが小学生にはいったとき、なだろうか精神科でいろいろなテストをされた。
それがいわゆるIQテストで、僕は発達障害のなんたらなんたらでアスペルガー症候群ですと断言されたあとから、
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