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2話裏技師の力
ついに天童はデルシス教官の教えをうけるために呼ばれた。
そこはとても広い空間となっているところであった。
大きな空間といってもなんだろうか岩のような壁、
そして岩のような屋根、
それが頑丈な牢獄のようにすら見えていた。
だがここが牢獄ではないとうことを、天童は知っている。
牢獄とはもっと冷たくて、もっと心がさびしいものだ。
いままでいじめが普通だとおもっていた自分の心、
親の虐待が普通だとおもっていた自分自身の心に、
苛立ちを覚えている。
「その顔だともう気づいているようだね」
デルシスはこちらを見てにこりと頷く。
「わたしにだって鑑定スキルがあるんだよ、あんたが裏技師という職業についていることくらい知っている。じつはあんたを最後にした」
「なぜです?」
「いいかい、裏技師は未知数がたくさんある、君なりの訓練方法をみつけだすため、もしかしたら裏技師と同じような力があるかと他の生徒たちを鑑定してみた。その結果、お前だけだ、お前だけが、非常におまえ自身を危険にさらす力なんだ」
「なにを言っているかが理解できないですよ」
「そうですか? では説明いたしましょう、あなたの訓練方法です。あなたは」
とデルシスの説明が始まった。
まず裏技師のスキルを確認するためにどうしたらいいのかというところだ。
それは、右手の平を見て、空中にスキル表を表示させると意識する。
デルシスの目の前に出現したのが、緑色みたいな黒板のような板であり、
そこにはこちらからは見えないが、スキルが載っているみたいだ。
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