本音

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そこで、地獄の日々から抜けられたと安堵するのと同時に、あいつを利用して部長、そして部長のその態度を知っていながら黙認していた社長に復讐をすることを考えた。 俺にとって程よい距離感で話してくれていたあいつを利用することに少しの罪悪感があったがそれよりも復讐心が強かった。 それに、また俺が標的にされてはたまったものではないと思った。だから、あいつが倒れたりして、辞めないように仕事を手伝っていた。 それなのに、あいつを利用しまくってたことなんて知るはずもない真人と真人の母親が謝罪してきたとき、気づいていないからこその純粋で真っ直ぐなその態度に胸が痛んだ。 俺の勝手な復讐に巻き込んで自殺に追い込んだのだって、部長や社長だけでなく、俺だって悪いに決まっている。
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