お母さん、感謝します。ーー本当に

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お母さん、感謝します。ーー本当に

 「私はこの世界において異端だそうよ。  私に言わせれば、世の中の方が間違っているのよ。あげくにあの老いぼれ共はこの私に何と言ったかしら?  『犯罪者』、『異常者』・・・『トチ狂い』とまでのたまったヤロウもいやがったわね。  あの馬鹿共。自分達の無能を棚に上げて、よくもまあ人の事をああもけなせるものだこと。恥を知るべきだわ。  だから私は眠りにつくのよ。  私を理解しないこの馬鹿馬鹿しい時代を捨てて、世界が私の頭脳に追いつくその時まで。」  「はい、母さん。」  「おやすみ、私の子。最も私が目覚める未来では、貴方はすでにいないのでしょうけれどもね。」  その時代から、一人の天才が姿を消した。
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