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第一章 twins
自分が両腕を振り下ろした瞬間、思わず目を伏せた。異常な爆発音と共に、辺りが煙に包まれたのだ。
熱すぎる煙に、眼球が焦げてしまいそうで、自然と目を守る。
金属類のなにかが、地面に叩きつけられる音もしてきた。
耳障りにも程がある。
「おー、すげえぞ!!あの双子やっぱバケモ
ノだぜ!!」
それと同時に、爆発を見ていた男が声を上げる。周りにいた者からも、歓声が聞こえてきた。
人々、すなわち人間を襲っていた機械のようなものを、俺は軽々と倒したのだった。
機械が襲ってくるということで、世辞にもこの世界は平和ではなく、ゲームの世界のように敵がいる。
ということは、それを倒す命知らずもいる、そう考えても可笑しくはないだろう。
俺――アズダもその一人。
異世界からやってきた者や、この世界の元々の住人より、俺は何故だか戦いだけは負けない。自分がどこから来たのかも、まだわからないのだが。
しかし、一人で倒したわけではない。
もう一人いる、となると、普段通りあのセリフを誰かが言う。
「特に弟が凄えよな、なんだ、アンユって言
ったか?」
それが、嫌い。
敵を倒せば皆に褒められ、称えられる。
だが人というものは比べたがりだ。
俺の双子の弟、アンユは、俺よりも才能があり、強靱。
昔からふたりぼっちで戦ってきたが、戦闘能力はアンユの方が断然と上だった。
いつもいつも、凄いという言葉で飾られるのは、弟の方。
胸騒ぎがしてきて、体中が熱くなってきて、どうしようもない衝動に迫られる。
闘うことは好きなのに、終わった後の周りの目が辛くて。
俺はずっと、アンユより下だ。
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