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だって、もうわかっちゃったから。ううん、ホントはもっと前からわかってた。俺は『彼』が好きなんだって。
ただ、事ここに到るまで、認められなかった………認めるのが怖かったんだ。
新選組のみんなが『好き』だけど、それとは違う『好き』。でも、まなへの『想い』とも違う。
俺は、まなと共に死にたいと思ってた。でも、『彼』とは一緒に生きたい。共に在りたい………。
『生』も『死』も抱き締めて、時空が許すかぎり、傍にいたいし、いて欲しい。
-愛されたい、なんて高望みはしないから。
心が無理なら、躰だけでも手に入れたい-
精神は俺になくとも、せめて身体だけでも、俺の元に在ればいい。
『死にたい』とは、もう思わなくなっていた。いつから、俺は変わったんだろう?それは、定かではなかったけど。
新選組との邂逅が、『彼』との出逢いが俺を変えたことは、何となくわかった。
けれど。『彼』を想うのは許されないことではないのか?と、そうも思った。
-だって。俺は『まなの女』なんだから-
尤も、まなの方は『俺の男』ではなかったけれど………。今尚、俺の全てはまなのもの。
心も躰も魂さえも、投げ打ったって構わないほど、愛していた………いや、今だって愛しているけど。
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