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◇
時刻は18:00。さて、微妙なところか……。
綾瀬は歩きながら色々と考えていたが、チラリと隣の佐々木に視線を向けると、しげしげと上から下まで見遣る。
それに気付き、佐々木は「なんだよ? 」と言う。
すると、また綾瀬は何事か考えて歩みを止めた。
(さて……件のホストクラブには、当然警官がとっくに聞き込みに行っているだろう。今からオレが出向いても、新しい情報が出てくる可能性は乏しいな。と、すると――ちょっと方法を変えるか)
幸い、時間は腐るほどある。
何しろ、超絶に暇だったのだ。
綾瀬は一つ頷くと、佐々木にニヤリと笑いかけた。
「お前、こうして見ると結構可愛い顔してるな」
「はぁ!? 」
「気が強い上に可愛い顔をしているヤツって、意外に人気があるらしいぞ。……鳴かせたくなるって」
急に淫靡な雰囲気を醸しながら囁く綾瀬に、佐々木は何事だと半歩後下がる。
「な、なんだよ? 」
「お姉さま方はお前のようなヤツをペットに飼いたがるし、お兄さんたちは跪かせたいか、はたまた傅きたいってのが多いかなー? 」
「……は? 」
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