エピローグ

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エピローグ

 女神の勇者エイタに負けたドロウは、その日以来姿を眩ました。  ドロウが再び歴史の表舞台に姿を現したのは、魔王討伐後のことだった。  「魔王が倒されるのを待っていた」だとか、「臆病風に吹かれた腰抜け」といった意見もあるが、そこからの実績は目を見張るものがある。  極東の国に現れ、戦乱続く国を実力と対話で統一させる。  さらに各国と連携し、第三次まで続く魔王残党軍の侵攻を退けている。  彼は類稀なる戦術眼と政治力により、『智剣のドロウ』と呼ばれ、連合軍に於いて重要な役割を果たすことになる。  そして常に一人の美女が、彼を支え続けていたという。  彼は「今の俺があるのは間違いなくエイタのお陰だ。アイツが居たから強くなれた」と語ったとされる。  この言葉もあり、後の多くの歴史資料には、こう記されることとなった。  『エイタとドロウ、二人は宿敵(ライバル)であった』と。
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