第二章・―二日目―

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 家の中で燻る?  ……否、ここでいても、気分が滅入っていくだけで、何も良い事なんてない。  朝食も兼ねて散歩に行こうと、適当に着替えて外に出た。  今日は生憎の曇りだが、すぐに雨が降るとかの心配はなさそうだ。  むしろ太陽が出ていて、暑いとかの煩わしさがなくて、良かったのかも知れない。  近くにあるカフェまでの道のりはいつもと変わらず、街路樹なんかに朝露が降りているのを見て穏やかな気持ちになる。  家の近くに公園があるという事を、住み処を選ぶ最低条件にしたのは、今となっては本当に良かったと思う。  空気は爽やかで、深呼吸しながら歩く。  しばらくすると、向こうから誰か歩いてくるのが見えた。  ……?  あれ? 何というか、歪んでる……? 透明になるにつれて、視界まで悪くなってきたのだろうか?  心配になって、相手から視線を逸らして周りの景色を見てみるけど、別に普通だな。  もう一度相手を見る。
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