第二章・―二日目―

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 あ、もしかして、これならいけるかな? バグ病の人ならではの……。  ズボンのポケットを探り、スマホを取り出して見せると、相手もぽんと手を打ち自分のスマホを出した。  バグ病は、やっぱり発生源とかは分からずにいるけど、とにかくゲームキャラとかをよく使ったり、電子機器を扱う職業の人達がかかり易い病魔だ。  だから、スマホの文字打ちならば普通に意思の疎通が出来るかもと思って、そう提案してみたのだ。  彼は素早い動作でスマホの画面をタップしていくと、すぐにこちらに見せてきた。  何か用事か? それだけ書かれていて、やっぱり見過ぎてしまった事が原因らしい。 「えっと。済みません」  ややこしい説明は省いて、手っ取り早く証明書を見せる。  するとすぐにスマホをタップした彼が、ぶんっとノイズを走らせながら画面を指差す。  何だ、透明病かよ。お仲間だな。  そう書かれていて、思わず苦笑する。  確かに、お仲間と言われると、そうなのかも知れない。
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