第二章・―二日目―

5/10
前へ
/45ページ
次へ
 バグ病の彼からは、ノイズが凄く響いている。  多少耳に障るが、煩わしい程ではない。  証明書は病魔の種類によって色が変わるため、見た目に分からないものでも、即座に種類を当てる事が可能だ。  例えば、昨日逢ったケーキ病の彼女が持つのは、ピンク色の手帳だ。  そして透明病は、ビニールみたいな透明な色をしている。  多分、バグ病の彼が持つのは、黄緑色の証明書だろう。  少し物思いに耽っていると、小さなノイズ音を響かせた彼がまた、スマホを示す。  少しそこの公園で話せないか?  空腹なのはあるが、昨日と同じく、ここで逢ったのも何かの縁だと思い、素直に頷く。  病魔に侵された人間って、引き寄せ易いのかな。  今まで本当に気にしていなかったけど、こんなにも街中に、病魔に侵された人達がいるなんて、やっぱり何かあるのかな。
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加