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――ぶぶっ!
……それが、彼が最期に発した“音”、だった。
それ以降、一切動かなくなった。
この人は、きっと、最期の瞬間まで笑っていたんだろう。
そんな気がして立ち上がる。すぐ目の前まで迫りくる“死”というものと、この人は最期まで逃げずに、真正面から向き合って生きたのか。
少しだけ理解した気がして、ふと手帳に視線を落とす。
そこには彼が今まで歩んできた“人生”が描かれている。
このまま朝食を摂る気にもなれなくて、もう何だかよく分からない形にまでなってしまった彼の隣で、これからどうしようかとしばらく思案する。
そうしてゆっくりと立ち上がり、カフェまで足を運んでテイクアウトすると、家路へと向かう。
手帳をまるで宝物のように、大事にポケットにしまうと、また公園に差しかかったところでふとベンチを見た。
……“そこ”に彼の形はもう、いなかった。
消えてしまったのだ。
この世から跡形もなく。
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