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それにしても、えっと、おが……? おもいて、って言ったよな?
おが……、丘の事かな? おもいては、思い出かな? つまり、思い出の丘がある場所に行きたい、……で、合ってる?
そんな場所が、この辺に……あったな!
確か、先刻行った病院の裏手にあった。彼女、もしかして、そこに行きたがっているのか?
「あの、少し待っていて下さい」
それだけ告げて走り出す。
彼女を連れて行きたいけど、多分あの状態で歩かせたら、丘に着く頃には最早“人間”の形を保てていないだろう。
何か、何でも良いから運べるものがあれば――。
目についたのは、コンビニエンスストアだ。台車の一つでも借りられればと、急いで入って自身の証明書を見せると、事情を話してみる。
店員は束の間同情の色を滲ませると、快く貸してくれた。
それを押して走って、元いた場所にまだ彼女はうずくまっていてくれた。
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