思い出は桜のように綺麗だった

2/7
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
...おかしいな。 西田公園の桜の木の近くで奈雪を待っていた。 腕時計はあと5分で3時になってしまう。遅れてないか確認するためスマホを見るけどやはりあと5分。 奈雪が来る気配はない。 集合場所に二人の思い出の場所とあったけど記憶が曖昧でそれが何なのか思い出せない。 それとも僕が来るの早すぎた...? そう思ってもう一度桜の木を見たとき。 根元に梅の花とかかれた木の看板が隠れるように刺さっていたのに気付いた。 や、やば...集合場所間違えてた! どうやら間違えて桜の木ではなくて梅の木の所に来てしまったらしい。 うろ覚えの記憶で来たのが間違いだった。 慌てて公園の入り口で貰った案内図を開くと桜の木はここからだとかなりの距離があった。 この距離は間に合わない...よな。 諦めて謝罪の電話を入れようと携帯を開いた時 【約束だよ!】 小指を絡ませ約束のおまじないをした時の奈雪の嬉しそうな表情と共に言った声が頭に浮かんだ。 やる前に諦めてどうすんだよ!? 約束したんだ! 必ず行くって。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!