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平凡な男子高校生
日曜日の朝。
「あーくそ。好きじゃないんだよなあ、遊園地」
待ち時間多いし。綾乃とかあれで結構ロマンチストだから、退屈なアトラクションばっか乗りそうだし。
本当は昼まで寝ていたいのに、気が重い。
洗面台の鏡の前には、眠たそうな顔をした平凡な男子高校生が映っていた。
やっぱりどうかしてるよ、隼人。
「なんで早起きなの? どこいくの?」
イツキが壁に寄りかかって歯磨きをしている。
「遊園地。綾乃とかと」
「じゃあ、俺も行く」
「あ? ダメダメ。お前がきたら変にややこしくなりそうだからダメ」
「行く」
「ダメ」
「ヒカル、またほいほい隼人君とイチャつきそうだしなあ」
「イチャ……イチャついてない!」
「下から見えてたよ」
「女の子も見てた……?」
「見えてないし、言ってないよ」
「とにかく、俺もついてくから」
一度決めたらテコでも動かない性格は知っていた。
「……今日は、綾乃と隼人をくっつける作戦だから、邪魔すんなよ」
イツキは噴き出した。
「あっはは!!はは……
ひー君って、本当にデリカシーないよね。隼人君が可哀想」
「うるさい。こうした方が皆幸せになるんだよ」
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