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やがてヤマダさん家に新しい家族がふえた。今度は男の子だ。三時氏が任務を始めても、ヤマダさんは赤ん坊に手をとられて、おやつの用意を忘れている。
「ママ、三時のおやつ!」
すでに五歳と三歳になった姉妹は、口々に叫ぶ。すると、眠りかけていた赤ん坊が泣きだす。そういったやりとりが何度か繰り返されてから、ヤマダさんは時計の裏をいじった。
「確か、目覚まし機能があったはずなのよね……これかな」
ヤマダさんによって、三時氏は任務を始める時に歌わなければならなくなった。曲は、キラキラ星だ。三時氏が歌うと、娘らは母親の許可がなくてもおやつを食べてよいことになった。
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