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少し森の奥に一件の小屋があった。入ると、そこには桂さんと坂本さんがいた。
「おっ!やっと帰っきちゅうがか。」
「詩音!!」
二人は立ち上がり私の方を優しい目で見た。私には、その目が優しいのかも分からなかった。
お茶を貰い、広間に腰を下ろした。私の目には、あの時のように光を宿すことは無かった。
「それで高杉。新撰組はどうだった?」
「っ!!」
私はその単語を聞くだけで、何故か急に辺り全体に殺気を放ってしまった。それも、家の周りにいた鳥たちが逃げ出すくらいの闇を。
「・・・桂さん、少し言葉を選んでくれ。詩音が。」
「すまなかった。詩音、大丈夫だから。」
私は落ち着いて、殺気をしまった。今は殺気をコントロールしている場合じゃないくらい、感情が不安定になっていた。
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