裏切られた吸血鬼

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「・・・ここは、レーダーからの追跡は大丈夫なの?」 「大丈夫だ。丁度感知出来ない場所にある。だけど、この森から出てし街の方に行くとなると発見されるな。」 「そっ・・・か。」 分かってたことだった。第一に、理性を保てていない時点でダメだったんだ。 今は、後悔しかない。やっぱり、私が正しい事をしても、その行為が報われることは無く、それは悪となって自分に返ってくる。 この時代なら、そんな事ないだろうと思っていた自分が馬鹿だった。 「やっぱり・・・何をしても私が悲しくなるだけか。」 私はまた、ぽつりぽつりと言葉を発していた。 「たった一時の笑顔なんて要らない。たった一時の楽しさなんて要らない。だったらいっそ、壊してしまえばいい。そんなことを思っている自分が・・・何故か笑っていた気がした。」 私の一人言を、周りの皆はただ静かに聞いていた。もしかしたら、私が聞こえていないだけかもしれない
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