裏切られた吸血鬼

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「ほら、早く斬り殺してくださいの土方さん。私を殺したいんでしょう?」 「・・・言われなくても斬ってやるよ!!」 私は塚に手をかけた。土方さんが私に刀を振りかざす。私もそのまま刀を抜いて応戦しようとしたが、その前に土方さんの刀を誰かが弾き飛ばした。 「くっ・・・て、てめぇは!!?」 「高杉・・・さん?」 そこにいたのは、紛れもなく高杉晋作だった。その時、私の胸の中で何かが大きく揺れた。 その感情は、怒りのあまり忘れていた、悲哀(ひあい)の感情だった。 「詩音!!大丈夫か?」 「た、高杉さんこそ・・・どうしてこんな所に・・・。」 「話はあとだ詩音。」 隣からそんな声が聞こえてきて、振り返るとそこには岡田さんがいた。 岡田さんはそのまま私の手を引っ張り、その場から離脱した。私はそのまま、連れて行かれるしか無かった。
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