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走って勝也の家に行った。
といっても遅い時間に、勝也の家のドアを
叩く勇気もなく、少しの時間立ち往生してしまった。
「あの。家になんか用です?」
背が高くて、がっちりした体型の、髪を明るい茶色に染めた若い男の人が不機嫌そうに聞く。
「えっ……あの。勝也君に会いに来たんです。ちょっと連絡取れなくて心配になって。」
男性はちっと舌打ちをする。
「勝也、最近夜になるとどっか出てくから。部屋にはいないと思う。」
その話ぶりから、その男性が勝也の父親だと気づく。父親なのに何処に息子がいるか分からないなんて。勝也の父親に腹が立った。
「分かりました。遅い時間にすみませんでした。」
ペコリと頭を下げると、急いで走り出した。
中学生の俺らに逃げ出せるところなんてそんなに無い。
一直線に公園に向かって走り出した。
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