144人が本棚に入れています
本棚に追加
「今日の婚活party、男性は年収750万以上だったはずだけど、直人、どうやって紛れ込んだの?
絶対に、そんなに稼いでないでしょ?」
わたしの後ろをついてくる直人に振り返り、聞いた。
婚活partyを運営する会社が、参加する男性陣の年収を、源泉徴収票でチェックすると言ってた。
「ほれ、これ、見ろや」
暗くてよく見えないのに、直人が、ポケットから紙切れを出して、わたしに見せてきた。
電灯の灯りで、なんとか見えた金額に、目を疑う……。
「5872万円!!これ、嘘の源泉徴収票でしょ!!」
絶対に、源泉徴収票を捏造してると、わたしは思った。
「IT企業社長はこんなもんだ。これでも少ない方。3年目でやっと軌道に乗った。
リスクあるから、大手のIT企業の社長5人と手を結ぶことになったから、倒産はない。凛子がお金持ちしか相手にしないから、俺、努力してきて、やっと、ここまで、きた。
だからさ、凛子、俺、おまえが求める金持ちになったからさ、付き合ってよ。大事にするからさ」
最初のコメントを投稿しよう!