3時に破滅します

4/21
前へ
/21ページ
次へ
「この事件と俺たちが乗っていたエレベーターは恐らく関係ない。  犯人が捕まれば、こっちの防犯カメラの映像は調べないはずだ」  大丈夫だ、と自らをも納得させようとするように、琢磨は頷き、言った。 「シャーロックホームズもポアロも金田一も子どもの頃読んだし」 「……それ、大抵の人は読んでるんじゃないですかね?」  そのとき、こわごわ死体の顔を確認した汐田が叫んだ。 「あっ、社長っ。  この男、例の産業スパイですよ!」 「産業スパイか!  じゃあ、死んでいいな!」  いいわけないですよね~……。  それにしても、10分で犯人をねえ。  名探偵でも無理かも、と思いながら、柚葉は周囲を見回す。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

580人が本棚に入れています
本棚に追加