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「この事件と俺たちが乗っていたエレベーターは恐らく関係ない。
犯人が捕まれば、こっちの防犯カメラの映像は調べないはずだ」
大丈夫だ、と自らをも納得させようとするように、琢磨は頷き、言った。
「シャーロックホームズもポアロも金田一も子どもの頃読んだし」
「……それ、大抵の人は読んでるんじゃないですかね?」
そのとき、こわごわ死体の顔を確認した汐田が叫んだ。
「あっ、社長っ。
この男、例の産業スパイですよ!」
「産業スパイか!
じゃあ、死んでいいな!」
いいわけないですよね~……。
それにしても、10分で犯人をねえ。
名探偵でも無理かも、と思いながら、柚葉は周囲を見回す。
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