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「待ってるときは1分でも長いって言うけど、待ってないから、速いですねっ」
「そうだな。
普段、30秒って、なにしてたら経つくらいかな?
30秒で、なにができるだろうかと考え始める琢磨の腕を、柚葉は脇道にそれるなっ、とパシパシ叩く。
もう防犯カメラの映像が出回らなくとも、社長の腕を気安く叩いているだけで、かなりまずい感じなのだが……。
そのとき、汐田が希望的観測を述べ始めた。
「でも、警察も10分くらいで着くって、だいたいの時間言ってただけなんで。
3時ぴったりに来るとは限らないですよねっ」
「そうだよな。
道が混んでるかもしれんっ」
「いや、自分たちがこの状況でないときは、ちょっと道が混んでるからって遅れてくるパトカー、嫌なんですけど」
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