3時に破滅します

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   数日後、柚葉が一階ロビーに行こうとエレベーターに乗っていると、琢磨も途中の階から乗って来た。 「お疲れ様です」 と頭を下げた柚葉に、琢磨はあの日と同じようにエレベーターの壁に背を預け、ぼそりと言ってくる。 「破談にした」 「え?」 「あの話は破談にしてもらった。  じいさんの決めた相手と結婚するのが、此処の社長になる条件だったから、もう此処には居られなくなるかもしれないが。  まあ、お前に騙されたとか言われて、殺されるよりマシかな、と思って」 「いや、殺しませんよ……」 と柚葉が言うと、琢磨は壁から身を起こし、まっすぐ柚葉を見つめて言ってくる。 「なんでだ、殺せよ。  お前の俺に対する愛情は、坂上のスパイに対する愛情より薄いのか?」 と。
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