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「犯人が捕まって、汐田が、これで上手くおさまってよかったって言ったとき。
俺はなにもよくないと思っている自分に気がついたんだ。
お前のために防犯カメラの映像を隠したいと思いながらも。
内心、お前と一緒に破滅するのも悪くないと思ってたみたいだ」
「……貴方が破滅しなくてもいいじゃないですか。
私がもてあそばれて捨てられただけの話ですよ。
よくあることじゃないですか、そんなの。
大丈夫ですよ。
貴方のように地位のある男の人なら、みんな、そんなことしてますよ」
とつい、琢磨をかばうように言ったが、その琢磨に、
「いや、偏見だろ……」
と言われてしまう。
「全国の地位のある男の人に謝れ」
そう言いながらも、琢磨は下に下ろしたままの柚葉の手にそっと触れてくる。
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