第一部 ケイの冒険

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近年、プラスチック・フラワーは価格が高騰し、貴金属類に迫るほどのものとなり、上流階級のステイタス・シンボル化しつつあった。  しかし、ケイは、メディアの力で消費者の心を操り後発企業との競争に明け暮れさらには悪い噂も囁かれ始める──といった最近のPFCの経営に、やや失望を感じ始めていた。ケイは、この仕事は人々の心に潤いを与える夢のある商売だと信じていたからである。  ──例えばあの会議にしてもなあ……。ケイは去年のことを思い起こした。
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