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アシェルとレビィが招かれたのは小さな宿屋の食堂だった。
シンシアはそこの女主人で、恩人への礼として温かい食事と寝床の提供を申し出たのだ。
2人はカウンター席で全ての料理を平らげて食後のコーヒーを堪能していた。
「いやぁ、こんなうまいメシを食えてフカフカのベッドで眠れるなんて夢みたいだなぁ。」
そう言って、アシェルがコーヒーを飲み干した。
レビィも「そうだな。」と同意した。
日々ろくなものを口にできず野宿が当たり前の流浪のヴァイオリニスト達にとって、久々に訪れた至福の時だ。
そんな2人の食べっぷりを隣で見ていたクープが不意に口を開いた。
「お前ら、ヴァイオリンうまいな。」
「お前ら？」
アシェルが眉間にしわを寄せてクープの頬をつねった。
「ひてててっ！はにふんはよ！？」
「あなた様達、ヴァイオリンがお上手でいらっしゃいますね、だろ？」
「その言葉遣いもかなり変だけどな。」
レビィが苦笑した。
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