プロローグ

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遥か昔から歴史に名を残した成功者の陰には常に私がいた。 人々は噂話としか思っていないようだが、私は確かに存在する。 アシェルに私を贈った老紳士も昔は貧しい若者だった。 友人と思っていた男に騙され何もかも失った時、同じように堂々たる風格を持った男から私を受け取った。 私を手に入れ財を成した者は皆、潮時を知っている。 次に幸福を掴むべき者が現れれば自然に私を手放す気になる。 逆に言えばそれができず私を独り占めしようとする者には真の成功は訪れない。 さて、それでは。 これから新たな成功者となる彼らの物語を君達に見せてやるとしよう。
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