一生の不覚

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悲嘆に暮れる私をよそにアシェルとレビィは左の道を行った。 そちらへ進んだ場合の幸運はまだ用意していない。 リスク管理が甘かった。 いやはやどうしたものか・・・。 私が悩み続ける間にもアシェルとレビィはズンズン歩いていく。 畑しかなかった田舎道の両側には民家が見られるようになり、やがて2人はこぢんまりとした商店街にたどり着いた。 沿道には煉瓦造りの建物が並び、肉屋に魚屋、八百屋、雑貨屋、床屋などの看板がぶら下がっている。 ここはラナシア本国の南部に位置するリヤムという小さな村だ。 石畳みの通りは人出も多く、なかなか活気がある。 「今日はこの村で()こうか?」 賑やかな商店街を見やりながらレビィが聞いた。 「そうだな。どこかいい場所はあるかな?」 アシェルはキョロキョロと周囲を見回した。 『セイレーヌ河畔公園』 十字路の角にそんなプレートがかかっていて右に矢印が出ている。 「レビィ、あっちに公園があるみたいだぞ。」 「よし、行ってみよう。」 2人が右へ曲がろうとした時だった。
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