愛の産地アプリ

4/7
前へ
/7ページ
次へ
「どうせ同じ人が何度も投稿してるんでしょ」 「同じ場所には一人につき一回しかハートマークをつけられないことになってるのよ。有名なデートスポットはともかくとして、こういう場所こそ愛の生まれやすいスポットなんだと思うな」 「愛の生まれやすいスポットねえ」  香苗はうさんくさそうな態度を崩そうとしない。 「今度の休み、一緒に行ってみない?」  そう言って、一番近そうな場所のハート✕5をクリックする。公園のベンチが表示された。 「どうせ近くに学校でもあって、そこの生徒の定番のデートスポットになってるんじゃないの。高校生とかそういうアプリ好きそうだもん」 「それでもいいじゃない。どうせやることもないんでしょ。一緒に行ってみようよ。26年パートナーのいない私の為だと思って」  香苗は私を見てため息をついた。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加