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「おやつの時間!お腹すいた!」
「ママ、今日のおやつはドーナツ?」
「ドーナツだ!」
お皿に盛られたドーナツに、子どもたちはみんな目をかがやかせました。
お母さんは3人分のジュースを用意しながら、ニッコリと笑います。
「そうよ。いっぱい食べてね」
思いおもいに小さな手を伸ばしてドーナツをほおばると、香ばしいにおいがして、中は甘くてふかふかです。
瞬く間に一つ食べ終えて、次に手を伸ばしたとき、子どもの1人がまるでしゃっくりをするように突然叫びました。
「ありがとう!」
他の2人が驚いてその子を見つめます。子ども自身も驚いているようでした。今、どうしてぼくはありがとう、なんて言ったんだろう?
「あら、そんなに美味しかったの?ママ嬉しいわ。」
お母さんがとてもうれしそうなので、なんだかうれしくなりました。
「うん、すごくおいしい!」
「ふわふわでおいしい!」
「ママありがとう!」
暖かな午後の陽射しのなか、健やかなる子らの美しい笑い声が響いていました。
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