僕の十年間

僕に気づかせてくれた人

　　あの人いると仕事回らない

介護職だけに関わらず様々な仕事でこの言葉を聞くのではないでしょうか？

仕事が遅い、いつも違うことをやっているなど足手まといになってしまっている人いますよね。

僕も介護老人保健施設に勤務していた時に「○○さん仕事してくれないから排泄介助が回らない。」そう言われている女性職員がいました。

でも僕は、その方の事を今でも尊敬しています。

ほとんどの介護職員が時間通り順番通りの排泄介助をしていく中で、その職員は時間をかけて排泄介助をしていて、最初のうちは僕も排泄介助が終わらずイライラしていました。

しかし、後に自分自身の考え方が間違っていることに気付いたのです。

それは、仕事が遅いのではなく丁寧な仕事をする余り遅くなっているんだと言う事。

施設利用者の1人1人の声を聞き丁寧に介助を行う。時間に追われながらの介助になると利用者の声を聞けずに流れ作業の様になってしまう。

僕は、流れ作業の様に様々な介助をしていましたが、その介護職員のお陰で僕は利用者の声を聞き心と心を向き合わせて介助をする。そんな当たり前の事に気付かされたのです。

ただ、業務が回らない上に、周りの職員からの反発もあり同系列の特養に移動させられました。

ただ、間違いなく言えるのは彼女が本気組だったと言う事。

介護職員として正しい対応をしていたと言う事。

そして、僕に本物の介護を見せてくれた事。

その事に今も感謝しかありません。