Pretender

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「言っとくけど、罰ゲームとかじゃないから。オレ、本気だから」 「…え、うそでしょ」 本日二回目の「嘘でしょ」である。だって他にどう形容したらいいの、この気持ち。 「こんな事いきなり言われて困るよな…。でもオレ、お前を諦められない」 「いやいや、そんな」 三回目の「嘘でしょ」を発する前に、またも愛を紡ぐ言葉が発せられる。 「好きだ。付き合って欲しい」 「うっ、でも、」 美形の目力ってすごい…。 「もしかして、他に好きな奴でもいるのか?」 「いやいないけど…」 「ならお試しでもいい。好きなんだ。頼む」 「えっ、ええ?」 かくして押されに押され、断り切ることも出来ずに俺は彼とお付き合いをする事になってしまったのである。何て王道展開。実は前にノートを拾ってあげたとかでその時に…みたいな?俺が忘れてるだけで何か彼が俺に惚れるきっかけが…? いやいや馬鹿じゃねぇの。 え、無いよ。無い無い。有り得ないだろ。 こんな冴えない俺に何で告白なんか。しかもよりによって、クラスで…いや、もしかしたら学校で一番モテる人からなんて…。 そんな人が突然カレシになっただなんて、実感が湧かなくて当然だろう。やっぱり罰ゲームか何かで無理矢理告白させられたんだと思ったが何せ彼の気迫がスゴくて、俺はそれ以上追求出来なかった。 あの真っ直ぐな瞳を見て、もしかしてマジで本気なのかも…とか思ってしまったからだ。
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