ばいばい

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ばいばい

三人で出掛けた帰り、それは突然に来た。 目の前に車が見えた。 大好きな両親が消えた瞬間。 目が覚めていない事に不安になる。 泣き叫び、お父さんとお母さんを呼んだ。 ただ不安……顔が見れたら安心する。 祈るような気持ちで呼んだ。 「たいちゃんだよ!」 大きな声がして目の前に太陽がいた。 (たいちゃんがいる。) それだけで少し安心した。 お父さんとお母さんはと、聞いたけど、あまり覚えていない。 たいちゃんはちゃんと、お父さんとお母さんの所に連れて行ってくれた。 それははっきりと覚えている。 今にも笑ってくれそうなお母さんと、お父さん。 たいちゃんは、 「カッコいいお父さんを覚えてて。」 と言ってたけど、月子には優しくて暖かいお父さんだ。 それからの月子は太陽が来るのを待っていた。 あまり顔を出してはくれなかった。 それでも来た時は笑顔で、いつも美味しいお菓子を持って来てくれた。 二人で半分個して食べた記憶がある。 変わってしまった中で、ただ一つ変わらないもの。 それが太陽の笑顔だった。
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