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小学二年生
二人で暮らし始めて、なんだかいろんな事があって…それでも月子は幸せで、太陽が側にいて、笑わせてくれる。
学校にも通い始めて、自転車で学校まで送り迎えしてくれていた。
自転車で送られるのも慣れた頃、よく歩道で会うおじさんがいた。
太陽はいつも、ベルを鳴らしゆっくりと横を通り過ぎた。
道路で会うおじさんの目が嫌い。
それを月子は太陽に言った。
「こぉんな可愛い子がいたら、見ちゃうだろうな?」
太陽が月子に笑顔で言う。
たいちゃんに言われると、そうなのかなと思ってしまう。
「月子ちゃんおはよう。」
「さおりちゃん、おはよう。」
下駄箱で一番仲良しのさおりちゃんに会う。
「お兄ちゃん、ちょっと見えたよ?かっこいいね?」
「そう?」
「うん。ゆみこちゃんも、えりちゃんも言ってたよ?月子ちゃんのお兄ちゃんカッコいいって。いいなぁ、さおり、お姉ちゃんしかいないの。お兄ちゃんほしいなぁ。」
褒められて嬉しいのに、少し嫌な感じがする。
「でも、たいちゃんあれでへんなとこあるよ?すご〜くたくさんご飯食べるし、変な味付けしたりするの。ドジなとこあるし、学校の先生に怒られたりしてるの。かっこよくないでしょ?」
「へぇ…そっかぁ。怒られるのはかっこよくないねぇ?」
「でしょ?」
二人で笑いながら教室に行く。
自分以外の誰かが、たいちゃんをかっこいいって言うのは、なんか嫌だった。
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