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そう言えば……とテトナは思い出していた
前にアルカとアルナに属性を見てもらった時に、ぼそっと人間じゃないんじゃないかと何度か話に上がっていたのを
実際村にいる両親は人間の両親
でも、髪と目の色は似ていようと、一向に伸びない背と両親とは違う顔立ちに恐ろしいものと
君が悪いものと言われていたのはテトナだった
「(……村には、戻りたくないけど…もしかして、私って本当に…)」
「トナさん、テトナさん!」
「はっはいぃい!」
「すみません、驚かせてしまいましたね。チェンジリングは妖精の悪戯としてよく知れ渡っているもので、“妖精の子と人間の子を取り替える”ことを指すのです」
「取り替える…」
「はい。ですがなんでもというわけではなく、主に体が弱い子どもが対象となるのです。悪戯というよりは、見方によっては祝福となる場合もある……テトナさんは間違いなく、チェンジリングで人の親に育てられておりますよ。あなたはこの村に住む村人と同じく小人族の血が流れています」
「…!なっ…なんでそんなことしたの!?そんな不幸になることしなくてもいいじゃん!そんな…私、本当は……」
「テトナさん、落ち着いて、気を確かに持って聞いてください。チェンジリングの対象になる人間の子どもは体が弱い子ですが、妖精種は育てる人のいない妖精種の子なのですよ」
「…育てる人のいない?」
ファールは小さく息を吐いて、顔を上げる
そこからもう一度話されたのはがどのようなものかということ
チェンジリングは、身寄りがないく育てることのできない妖精族の子を人に預け、代わりに病弱な子の体を丈夫にするもの
「私のような妖精種はなんというか……種によっては思考が短絡的でして。多分『こんな大きな子は育てられない!そうだ!近くの弱い人間の代わりに育てさせよう!』『弱い人間は強くして人間の多い所に置いておけば大丈夫でしょ!』な感じだったと思います」
「軽いよ!?」
「妙に具体的じゃないー?」
「以前実際にあった事ですので…これは私も頭が痛く…」
「あそう…オツカレサマ」
そっか…とテトナは小さく声をこぼした
本当の両親はいなかったんだや、人間じゃなかったなど色々なことが頭を駆け巡る
けれども聞いたことでどこかストンと納得することもできていた
「……」
「テトナさんさえ良ければこのままここで暮らしませんか?」
「……え?」
「ティロウ様が紡いでくださった貴方との縁。家族、とはまた違う形かもしれませんが、きっと貴方にも居心地がいいはず」
「急に…言われても……」
薄青色の長い髪を傾けながら笑みを浮かべる姿に、どうしようとリニーの方を見ようとした瞬間、頭をガシガシと撫でられた
上を見ると見知った灰褐色の長い前髪の間から見える目…アイゼンだ
そしてひょっこりとアイゼンの後ろからレナトが顔を出した
「やあ、お話中に失礼するよ」
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