第1章 はじまりの時 / 咳

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「んんっ?!」 あまりにびっくりして声を上げてしまった。 「どうしたんだね?」 僕の様子を見ていた医師が声をかけた。 異物をティッシュに吐き出し、異物を見ようとティッシュを広げながら、医師に言った。 「何か堅いもの……が……」 自分の体から出てきたものを見つめ、言いかけた言葉が消えた。 ティッシュの中にあったのは、青く光る鉱石だった。 覗き込んだ医師も言葉を詰まらせ、青い鉱石を見つめている。 しばらくの間があり、医師が言った。 「これがなんなのか、検査機関で調べてもらいます。これが、なんであれ咳と違和感の原因は、おそらくこれが原因でしょう。結果が出たらこちらから連絡します」 「あぁ、それまでに何か体の不調があるときは、いつでも連絡してください」 会計を済ませ病院を後にしたが、結局は何も分からなかった。 「はぁ、まぁしょうがないか」 そうつぶやきながら、空を見上げた。 結果を待つしかないな。 しかし、あの青い鉱石は何だったんだ?
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