第3章 僕の知らなかった世界

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* 「弱、全くつまんねーな!」 血の滴るナイフを玩びながら、男が言う。 楽しく遊んでいた玩具の電池が切れ、癇癪を起こした子供のようだと、黒髪に所々赤い房の入った女が、呆れ顔で見ている。 「そろそろ行くわよ」 「へーい。次はもっと遊びがいがあるのがいいんだけど」 「あんたの趣味はどーでもいいのよ。じゃまな虫を駆除したいだけな~んだから」 「へいへい」 男は面倒そうに手をヒラヒラさせて答える。 「でーも、まだ遊んで良いんだよね~? 次はどぅやって遊ぼうかな~楽しみだなぁ……ニヒッヒィ!」 恍惚とした目でナイフの血を拭う。 * 翌朝もナイフで滅多刺しにされた局員の遺体が発見された。 立て続けに局員が狙われたことで、採集者(ハンター)たちの標的にされたことは確定した。
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